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【飲食店編】厨房から始まるお店づくり。設計室室長・井上桜子が語る“サンクジャパンのデザイン”

  • 4月30日
  • 読了時間: 6分

更新日:5月7日


厨房から始まるお店づくり

設計士井上桜子

10代の頃から「厨房」が大好きで、居酒屋、カフェ、バー、寿司屋、フレンチやイタリアンのレストラン、結婚式場、おでん割烹の女将までを経験。

サンクジャパンの設計室室長 一級建築士 井上桜子は、様々な飲食店の現場に立って、“飲食店のリアル”を経験してきました。

忙しいお店ほど、料理人さんが過酷な環境で仕事をしていることは少なくありません。

暑さ、動線の悪さ、張り詰めた空気。そこで感じた違和感が、井上の設計思想の原点になっています。


shitagoyaの厨房

「飲食店は、厨房からデザインすること」。

これは、井上が飲食店の設計をする上で、最も大事にしていることです。

料理人の働く環境は、料理の味やスタッフの空気感、そしてお客様の体験にまで影響します。

だからこそ井上は、設計の最初に、厨房に立つ料理人さんの話を聞くことから始めます。見た目のデザインだけでなく、“働く人の居心地”から考えることを大事にしています。

今回は、井上がそんな想いでデザインした3つの飲食店をご紹介します。

これから飲食店のオープンを考えている方にとっては必ず参考になるはずです。

 

「the Corner」 限られた空間でも、価値は最大化できる。

「the Corner」のカウンター

 

母娘2人でお店に立つ「the Corner」は、ターゲットも女性のお客様。「仕事帰りの疲れをいやすように、ふらっと立ち寄れるお店にしたい」というのが要望でした。

小さなお店ほど、店主に会いに行くお店になります。

外と店内、店主と一緒にお店で過ごす時間に感じる雰囲気がシームレスで違和感なく伝わることを意識し、テーマを「2人のテンションが上がるデザイン」「2人の笑顔が溢れるお店」としました。2人の好きな黄色を差し色とすることで、優しく、元気になれるデザインにしています。


「the Corner」の厨房

 

理想のお店を目指す上で、課題となったのは以下の3つです。

・制約の多い小さな空間

・限られた厨房機器の配置

・身長差のある2人でのオペレーション

これらの課題は、本来動かせないと思っていたコンロの位置を、換気の工夫で変えることで解決。

コンパクトな厨房内を、2人が無理なく行き来できるギリギリの寸法を探り、配置することで、一気に使いやすさを向上することができました。


「the Corner」の店内

 

「the Corner」のデザインを行う上で、スムーズに進んだ理由の一つは、2人が「shitagoya」で開業体験を行っていたことでした。

「shitagoya」の雰囲気を気に入ってくれていたので、“小さなshitagoya”のような設えをしています。

身長差のある2人が使いやすい吊棚の高さは、実際に「shitagoya」の吊棚を使ってシミュレーションを重ね、最適な高さを設定しました。

「the Corner」は、「shitagoya」での開業体験を積んでから実店舗をオープンした第1号のお客様です。

 

「Ri'oro kanegawa」 カウンターは、料理人さんが主役の“舞台”になる。


「Ri'oro kanegawa」 カウンター

「戸田公園駅」から徒歩8分。「Ri'oro kanegawa」は、「え、こんなところに?」と思う建物の中にあります。建物の細い脇道に入り、ドアを開けたら、金川シェフの作る料理に没頭する時間のはじまりです。

お店のデザインをする際に、強く意識したのは「金川シェフが主役の舞台になるカウンター」にすることです。

・お客様の目の高さをイメージしたカウンター

・厨房からカウンターに直接お皿を届ける距離を図る

・厨房器具を並べる順番と調理の手順

料理人さんを主役とする場合、料理人さんの癖さえ設計プランに影響します。細部まで綿密な打ち合わせをすることで、包丁から盛り付けまで、金川シェフの全ての仕事が見えるカウンターです。


「Ri'oro kanegawa」の店内

「Ri'oro kanegawa」は、金川シェフがお一人で料理をする、コースメインのカウンターイタリアンです。

効率のよい動作空間、距離、厨房設備配置を一番大事にしています。また、カウンターの奥行きを78cmと広くとり、お客様が席に座り、目の前の料理に集中し、金川さんの世界に存分に浸っていただけるような空間となっています。

美味しい料理を堪能した後、お店を出たときに「あ、ここ戸田だったんだ!」と我に返る非日常。ぜひ一度体験していただきたいお店です。

 

「shitagoya」 古い建物に、新しい価値を生み出す。

shitagoyaの店内

料理人さんが独立を学ぶシェアキッチン「shitagoya」は、築60年の長屋をリノベーションして、2023年8月にオープン。長く戸田のまちにあったその立ち姿はそのままに、外壁や屋根、天井の梁などはそのままの形状を残しています。

一般的な飲食店とは異なり、以下のような課題がありました。

・毎日違う料理人さんが厨房に立つという特殊な環境

・厨房に立つ料理人さんは、基本的に独立前の方であること

また、自社で運営する「shitagoya」には、サンクジャパンがおすすめする建材や仕様で設えました。

永く使い続けられるもの、職人さんの手仕事が光るものを選定して、お客様が実際に見て、触れられるようにしています。


shitagoyaの厨房に立つ料理人さん

毎日異なる料理人さんが立つ厨房は、その料理人さんの個性を受け止めるニュートラルなデザインを目指しました。

お客様から見て料理人さんの背景となる場所には、グリーンのタイルを採用。調和性が高く、男女ともに馴染む空間になっています。

ガスコンロとIHコンロ、2種類のコンロがあるのも特徴です。それぞれのメリット、デメリットを体験することで、独立開業時の判断材料としていただくのが狙いです。

また、あえてお客様から厨房が見えるオープンキッチンにしたのにも狙いがあります。

それは、お客様とのコミュニケーションを大切にしていただき、所作や衛生管理の意識も身につけていただきたいからです。

 

shitagoyaのカウンター

とはいえ、まだ人前に立つことに不慣れな料理人さんへの配慮も行っています。

カウンターの一部を“ハの字”に角度をつけました。これにより、料理人さんへの目線に、角度と距離が生まれます。

お客様の視線を自然にずらすことで、料理人さんを緊張感から緩和させてくれます。

その他、ガタガタした天井の歪みを、壁に均一に並べた照明器具により補正。お客さんの意識をずらすことで違和感をなくすなど、細部にまで工夫を凝らしています。

 

これからか独立開業を目指す方へ、サンクジャパンができること

内見中の設計士井上

飲食店の設計は、物件を選ぶ段階から始まっています。

「やりたいお店はできるのか?」「そのために必要な工事はあるのか?」など、内見時には、立地だけでなく設備面も含めた確認が必要です。

建物側の条件によって、後々になって費用がかかってしまうケースもあります。

そんな事態を避けるためにも、気になる物件を内見するときから、信頼できる設計士と同行することをおすすめします。

設計について打ち合わせをする井上

飲食店は、そのお店の中にいる“人”によってつくられていきます。

私たちにできることは、そのお店が長くまちに愛され続けていくために、まずはそのお店で働く人たちにとって快適な空間を設計すること。

そして、客層や価格帯を含めた“理想のお店”をデザインし、空間で表現させていただくことです。

見た目のかっこよさだけに捉われず、そのお店で働く方と想いにどれだけ寄り添い、考えて設計できるか。これが信頼できる設計士だと考えます。


本社前で社員の集合写真

サンクジャパンでは、飲食店開業を志した段階から一貫して伴走できる体制が整っています。

不動産室」による物件探し。

気になる物件があれば「設計室」による内見の同行。

代表の清水による飲食店経営の勉強会「39スクール」により、想いを共有した上での設計。

建築室」では、お見積もりから施工までワンストップ。

shitagoya」での開業体験やテストマーケティング。

オープン前の不安は「生活企画室」にご相談ください。

いつかやろうと思っているそのお店。

もし少しでも具体的に考え始めたら、その最初の一歩はお気軽にご相談ください。

お問い合わせ・ご相談は、当社ホームページ内「CONTACT」にて受け付けています。






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